蔵元HPからの引用「天寶一の信念」

私は、蔵元で酒造りに携わって今年で7年になります。それまでは、東京の方で全く畑違いの建築関係のメーカーの営業をやっておりました。東京から広島へ帰郷した当時は、日本酒に対して興味があまりなく、その年 2会生で広島の醸造研究所で3ヶ月間研修させていただきました。その時、出逢った意欲のある若き蔵元に刺激されて、これからの考え方や自分も味覚には、少々自身がありましたので、毎晩の様に近所では手に入らない、地酒を飲んでは、米の違い、水の違い、酵母の違いや酒質の向上の為の濾過や貯蔵管理などを研究しました。それから、酒造りに参加して間もない頃は、自分の目指したい酒はそれなりの設備が必要だと思い毎年苦しみながら酒質の向上を信じて設備を整えてまいりました。それから4年後ようやく自分の目指したい酒の形が見えてきました(これも理解ある今の杜氏さんのおかげだと思っています)、今現在は杜氏及び杜氏見習と私とで3人が中心となって計5名で酒造りをしております。私の将来醸していきたい「日本酒」は、口に含んだ時に、みずみずしい酸味を感じて和の食材とマッチした酒を醸し自分自身幸せを感じる酒を醸していきます。「日本酒は和食を最大限生かす名脇役」をモットーに酒造りしていきます。
http://www.tenpo1.co.jp/

天寶一 『純吟袋吊り噴火酒』活性にごり14BY

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株式会社 天寶一
広島県深安郡神辺町大字川北660番地

ラベルデザインを語る時、地酒業界で最大級の問題作と言えるのがこの 『純吟袋吊り噴火酒』。まるで子供の落書きのような「噴火絵」ですが、このお酒の特徴を適格に表しています。その特徴とはまさに噴火。瓶の中で生きている酵母の働きで炭酸ガスが発生し、蓋を開けると中から噴き出すお酒なのです。もっともこれは日本酒でも珍しい事では無くて「活性にごり酒」と表記されているタイプは、全て開栓時に噴き出す可能性を持っています。もちろん「活性にごり酒」にも程度の差はあり、口の中で炭酸がピチピチはじける程度のお酒もありますが。このお酒を購入したのはもう2年も前になりますが、さすがにこのラベルは継続使用されていないみたいですね。慣れると結構親しみを覚えるデザインなのですけど。

呑んでみました

前記の通り『楽』は地元向けの限定商品で、地元の酒好きさんに呑んで欲しいと出荷している酒です。このテの地酒にはいわるる古臭いタイプの商品が多いイメージがありますが、この『楽』に限っては「山廃仕込み本醸造」として県外でも充分通用する実力を秘めています。基本的に本醸造タイプなので特筆すべき立ち香はありませんが、特殊形状の商品にありがちなヒネ香など嫌な部分は感じられず、山廃らしい甘い乳酸系の香りがほんのりと鼻をくすぐります。冷えた状態でグラスに注ぐと若干のアルコールを感じるかもしれませんが、器を広口のぐい呑みなどに変えると馴染むと思います。この『楽』は常温よりも下の部分では結構辛口に感じ、燗によって甘味が広がるタイプですので燗を付けてこその酒と評されがちですが、僕は余り冷やし過ぎていないのであれば冷酒でも全然イケると思います。逆を言えば温度域によって違った楽しみがある酒ですし、このレベルを日常酒に使える静岡県の酒呑みさんは本当に幸せだと思います。

高砂 山廃仕込み本醸造 楽 15BY

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富士高砂酒造株式会社
静岡県富士宮市宝町9-25

買い手の期待を裏切らない高い品質の銘酒を揃えつつ各蔵の個性を出す事で、数多くの地酒ファンに支えられる静岡地酒。その中でも富士宮高砂酒造と言えば基本銘柄の充実に加え、『琉の扇』や『駿州 中屋』などの地酒ファンにはお馴染みの地酒専門店限定銘柄も充実と、実に意欲的なお蔵のひとつです。そして今回紹介する『楽』は高砂酒造が展開する静岡限定流通酒。県外では知名度もいまひとつかもしれませんが、これがひとたび静岡県に足を運ぶと、コンビニ兼、酒屋さんといった構えのお店でも普通に売っているポピュラーな山廃本醸造なのです。地元向けに山廃本醸造を相当量出荷する意気込みは素晴らしいですよね。そして瓶デザインも砲弾型のビンにフロスト調の細工を施し、料理と一緒にテーブルの上に並べても非常に見映えのする1本なのです。

呑んでみました

この『雪中梅』には一般的に手に入るグレードは「普通酒」「本醸造」「純米」「吟醸」の四種類。そして今回紹介する『雪中梅 純米』は、常温で呑むと-3と言うスペック以上の甘口に感じます。ただベタベタと口に残る嫌な甘さは無く、甘いのだけど口の酒を呑み干すごとに雪のように甘味も消えてしまう非常に潔い甘口酒に仕上げられているのが特徴です。さらにぬる燗まで温度を上げてやれば、間違い無く甘口だけど最後にはキレすらも感じさせてくれる酒に昇華します。これ程後味が綺麗であれば、酒度-3という甘口タイプだと感じない方もいるかもしれませんね。確かに冷やでも充分旨い酒なのですが、燗を試さないのは非常にもったいない逸品ですね。もちろん器はガラスじゃ無く、陶器のぐい飲みが似合います。最近は甘口の新潟酒も全国的に評価されつつありますが、酸の少ない『雪中梅 純米』ならではの面白さがあるのは疑いようのない事実。色々なタイプの地酒が受け入れられる現代だからこそ、改めて「新潟三梅」と称されるべき銘酒です。

酒屋HPからの引用「雪中梅」

雪中梅醸造元の丸山酒造場は、明治30年創業の蔵元です。蔵内の井戸水を利用して地元の頚城杜氏が仕込んでいます。蓋麹法、箱麹法で麹造りをし、2t前後の小さな仕込できめ細かな酒造りを行っています。昭和47年代11回全国酒類調味食品品評会で、1,2位を独占して以来、蔵元から出荷される絶対量が極端に少ないこともあり、「幻の酒」として全国に知れ渡ることとなりました。また、「越乃寒梅」と並ぶ一方の雄として、地酒ブームが到来する以前より越後酒の名声を高めてきました。近年の鑑評会でも安定した好成績を誇り、名実ともに希少な銘酒として、依然としてその人気ぶりは衰えそうにありません。三和村の地酒に徹するという趣旨を貫き、今なお日本酒度ではマイナスの甘口方の酒質ですが、精白の高さと造りの丁寧さから甘さよりもむしろ祖切れのよさを際立たせています。その品質の高さから、今なお超人気銘柄となっているのは周知のことであります。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/sakemuseum/