雪中梅 純米 15BY

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株式会社 丸山酒造場
新潟県中頚城郡三和村塔の輪617

  • 原料米/五百万石
  • 精米歩合/
  • アルコール度数/15.7度
  • 日本酒度/-3 酸度/

世に「新潟三梅」と称されるのが『越乃寒梅』『峰乃白梅』そして今回紹介する『雪中梅』の3銘柄です。ひところの地酒ブーム時には新しく台頭した銘柄を崇拝する余り、「新潟三梅」や『久保田』など、有名な新潟淡麗の酒を置くと「常連の地酒通からソッポを向かれるので置いていない」などと的外れな事を公然と言ってのける地酒専門店も見られましたが、実際に呑んだ事のある人に言わせるとそう悪い印象を持たれていないのが現実です。実際に「新潟三梅」の「普通種」と他地域の「吟醸酒」の銘柄を並べ、新潟銘柄の「普通種」をコキおろしている人と同席した事がありますが、これも「新潟三梅」故の有名税というものでしょうか。

呑んでみました

これまでも小田原市内では『火牛』ラベルのお酒(純米吟醸が中心)が出荷されていましたが、これは以前の蔵で醸された酒で、新蔵での新酒は今回呑む特別純米がはじめて。スペック違いで『特別純米 無濾過』『特別純米 無濾過生原酒』が出荷されましたが、僕は四合瓶で売られている『特別純米 無濾過生』を購入してきました。ラベルは原酒表記ではありませんが、アルコール度数は17.5度と結構高め。以前のお酒は燗をしてこそのお酒でしたが、無濾過生酒ですから先ずは冷やで呑んでみました。今回は大きめのロックグラスで呑んでみたのですが特別目立つ立ち香が無い反面、含み香では麹香が目立ちます。この辺りは好みが分かれそうですね。そして味ですが、基本的に米の甘味がしっかり乗っているものの、まだまだ渋味が強く2.3日は放置した方が良さそう。せっかくなので燗を付けてみましたが、いわゆるぬる燗よりも下の部分まで下がってくれば非常にバランスが良く、新蔵最初の酒としては充分旨い酒だと思います。今回機械を搬入した業者さんが余り酒に詳しくなかったらしく、今年の造りは大変苦労したとの噂を聞いています。ですがこれだけの純米に仕上がったのであれば、蔵元も一安心されたのではないでしょうか。今後の商品展開にも注目したいと思います。

酒屋HPからの引用「すべての酒を純米造り」

古くは、日本酒は米と水だけを原料として造られていました。時代が変わっても基本に忠実でありたい。そんな想いのもと、相田酒造店では、すべての酒を「純米造り」としました。米と水だけ。原点を踏襲し、どこまでも真っ直ぐに、芯の太い酒を造りたい。そして神奈川県下において唯一、箱根水系の水を使用している蔵元として、地酒の命ともいえる水の表情と個性を大切に考えています。
http://www.kagyu.co.jp/

火牛 特別純米 無濾過生 17BY

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合資会社相田酒造店
神奈川県小田原市入生田150-1

  • 原料米/
  • 精米歩合/58%
  • アルコール度数/17.5度
  • 日本酒度/+3.5 酸度/1.9

これまで小田原市の中心部で酒を醸して来た「相田酒造店」さんが蔵を移転し、純米蔵として再出発。その新蔵最初の酒『火牛 特別純米 無濾過生』が発売されると同時に「相田酒造店」さんに行って来ました。住宅街の中に建てられていた旧蔵とは全くイメージが異なる新しいお蔵は、こじんまりと纏められた醸造スペースに、開放感のある直売所が併設されています。ただ余りにも近代的な外見なので、一見して造り酒屋とは気が付かないかも。所在地が非常に交通量の多い場所なので、ちょっと勿体無い気もします。ただ首都圏の純米蔵と言うシチュエーションだけでも雑誌受けは良いでしょうから、口コミで広がる前にグルメ雑誌で紹介されるかもしれませんね。 ちなみにこのお蔵まで足を伸ばされた時は、すぐ近くの生湯葉売店に是非お立ち寄りください。ここで製造されている青豆の湯葉は絶品。それと蒲鉾博物館にも非常に近いです。

呑んでみました

基本的に『酒鑑評会出品酒』は食中酒に向かないなどと議論される事がありますが、蔵の技術の集大成だけに旨くないハズがないのですが、それにしても『バーコード酒』は前評判の高い酒でした。今回は出品酒らしさを楽しむ意味でも常温で呑んでみましょう。切子硝子器に注がれた『バーコード酒』は、噂よりも香りはおだやかに感じます。そのかわりと言っては何ですが、口に含んで広がりを見せる味は、いわゆる出品酒とは思えない程厚みがありますね。全体的に酸は押さえめで、旨味と甘味が舌をスルスルと流れ落ち、喉の辺りでフワッと消えて行く非常に喉越しの良いお酒です。今回呑んだのはある程度家庭用冷蔵庫で保存されていたものなので、実際の新酒鑑評会の時にくらべると味が変わっているかもしれません。ですが家で呑むには味が開いていて正解ですね。

蔵元HPから引用「製品開発物語り」

はじめに美酒ありき。昭和38年(1963年)2月、杜氏(酒造の最高指揮者)高橋留治は、今しぼりたての酒を一口含んで、「あっ、これは・・・」と言ったきり絶句した。その酒は、彼の長い酒造りの経歴の中でも経験したことのない出来ばえだった。「社長、これどうです」杜氏の差し出す酒を口に含み、社長はしきりにうなずいた。その酒は、まるで絹の肌ざわりのように口になずみ、五体のすみずみまでしみわたり、心のすべてにやすらぎを与えるかのようであった。酒の中身は80%以上が水である。また、水は酒造のあらゆる工程で使われる。うまい水を使ってうまい酒が出来るのは当然のことであった。「酒造蔵を訪ねたら、お茶を一杯いただいてみるがよい」と言われる。うまいお茶、うまい水、うまい酒、はイコールでつながる。社長は「ここの地下にもっと良い水があるかも知れない。探してみよう」と何とも贅沢な野心を持ち始めた。現在、当社では酒造用水(米とぎ水からタンクを洗う水まで)はもちろん、ビンを洗う水、作業場を洗う水まですべて地下水を使用しています。この地を流れる雄物川のもたらす、良質で豊富な地下水は貴重な資源です。この地下水のある限り、当社は美酒(うまさけ)を造り、 皆様にご提供していくことが出来ることでしょう。
http://www.tatenoi.co.jp/

館の井 平成16年全国新酒鑑評会出品酒

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沼館酒造株式会社
秋田県平鹿郡雄物川町今宿字高花15

個人的にも思い入れの深い沼館酒造株さんの醸す『館の井』の出品酒です。瓶背面に管理用バーコードが印刷されているので、一部で『バーコード酒』と呼ばれていたお酒ですね。この沼館酒造さんのお酒は、有楽町の「東京交通会館」にある「秋田まるごと情報プラザ」でも瓶が展示されています。残念ながら直接購入する事はできませんが各蔵元の紹介パンフレットも常備しているので、ついでがあれば散策するのもお勧めです。1Fフロアの直売センター「むらからまちから館」でも『館の井』が買えるようになると嬉しいですね。余談ですが「東京交通会館」の地下のゲーセンもすごいです。何と言っても全席テーブル台で、スペースインベーダーからゼビウスなどレトロゲームが勢ぞろい。しかも1プレイ100円と、ちょっとしたタイムスリップ気分が楽しめるスポットです。