蔵元HPから引用「製品開発物語り」

はじめに美酒ありき。昭和38年(1963年)2月、杜氏(酒造の最高指揮者)高橋留治は、今しぼりたての酒を一口含んで、「あっ、これは・・・」と言ったきり絶句した。その酒は、彼の長い酒造りの経歴の中でも経験したことのない出来ばえだった。「社長、これどうです」杜氏の差し出す酒を口に含み、社長はしきりにうなずいた。その酒は、まるで絹の肌ざわりのように口になずみ、五体のすみずみまでしみわたり、心のすべてにやすらぎを与えるかのようであった。酒の中身は80%以上が水である。また、水は酒造のあらゆる工程で使われる。うまい水を使ってうまい酒が出来るのは当然のことであった。「酒造蔵を訪ねたら、お茶を一杯いただいてみるがよい」と言われる。うまいお茶、うまい水、うまい酒、はイコールでつながる。社長は「ここの地下にもっと良い水があるかも知れない。探してみよう」と何とも贅沢な野心を持ち始めた。現在、当社では酒造用水(米とぎ水からタンクを洗う水まで)はもちろん、ビンを洗う水、作業場を洗う水まですべて地下水を使用しています。この地を流れる雄物川のもたらす、良質で豊富な地下水は貴重な資源です。この地下水のある限り、当社は美酒(うまさけ)を造り、 皆様にご提供していくことが出来ることでしょう。
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