呑んでみました

今回の『万葉の詩 1995年醸造』は色も結構付いていますし、見るからにチビチビやって良さそうな姿ですので、リチャードジノリ製の小鉢で呑んでみました。日本酒における「古酒らしい酒」と言うのも実は多種多様でして、味も香も紹興酒的になってしまい、日本酒の面影を残していないお酒から、新酒で感じる味のカドを全て取り除いた、日本酒のまま昇華させたお酒までとさまざまです。そして『万葉の詩 1995年醸造』は、確かなヒネを感じながらもあくまで日本酒的であると言う、絶妙なバランスで出荷されているようですね。口当たり滑らかでカラメル様の甘味を感じ、熟成によって産まれた穀物の苦味がキレを演出する誰でも呑みやすい古酒と言えるでしょう。温度が冷えた状態から常温に戻るにつれ、ヒネ香が前に出て来るようになりますが、冷えた状態だと若干口に残る印象だった甘味が柔らかくなって来ます。全体的な味のバランスは明らかに常温で呑む方が良いですね。