オフィシャルHPからの引用「八百新の想い」

八百新酒造は創業以来、山口県を代表する清流『錦川』の恩恵を受けて酒造りを続けてきました。ところが戦後、昭和30年代に試練の時が訪れます。上流域に出来たダムにより錦川の流水量が減ったため八百新が位置する河口近くでは満潮時には海水が逆流するようになったのです。当然伏流水にも影響し、塩分の混入により八百新の井戸は使用不能に陥りました。敷地内に新しく井戸を打ち抜いたり、脱塩素処理をしたり、様々な対策を講じたものの満足な水質の取得に至らず、一時は酒造りを断念せざるを得ない状況にまで追い込まれました。しかし、先人の酒造りにかける情熱はこの逆境を撥ね返しました。うちの井戸が使えないのならば他所に良い水を汲みにいこう」こうしてより良い水を求めて、中流域・上流域へと『水探しの旅』が始まりました。水質検査を重ね、応援してくださる様々な方との出会いにも恵まれ、数箇所に素晴らしい水源を確保することができました。仕込み水の全量を外部に汲みに行くことは他の蔵ではほとんどする必要のない余分な負担ですが、その分当たり前と思っているものがいかに貴重な存在であるかを再認識することとなりました。そして、この時われわれは試練を情熱で乗り越えた証として、新しくつくり始めた酒に『錦乃誉』という名を付し、錦川水系の豊かな自然の恵みに対する万感の想いを表したのです。酒は自然の賜です。われわれには「おいしい酒をつくりたい」という想いと、「おいしい酒を造ることのできる環境を保ちたい」という想いがあります。『錦乃誉』が錦川水系への賛歌たり続けることを願ってやみません。
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