呑んでみました

このお酒は蔵元が新酒のうちから「熟成」を念頭に置いていたそうで、半年以上の時間をかけ、充分熟成が進んだ事を確認してから出荷されました。商品名は『おりがらみ』となっていますが、僕が購入した500ml瓶には殆ど滓が沈んでいません。 実際リーデルに注いでも透明度はかなり高く、この辺りは瓶によって差があるのかも。使われている酵母は協会9号酵母系ですが、若干甘い麹香を感じるので印象はバナナのようです。そして味はと言いますと、先ず最初に豊かな酸が広がります。酸と言ってもトゲのある感じでは無く、甘酸っぱい果実を思わせるモノで、この辺りは「熟成したおりがらみ」らしい印象ですね。豊かな酸を感じるせいか、バナナのような立ち香に対し、含み香はパイナップルのよう。そしてジワッと米の旨味と甘味が溢れて来る「味わい深い大吟醸」ですね。酸と甘さのバランスは冷えている状態よりも、少し常温の戻った辺りがベストかと。大吟に上品さを求める方には「甘酸っぱい酒」と評価されるかもしれませんが、この厚い旨味は特筆モノ。本当はぬる燗でも旨いらしいのですが、試す前に呑み干してしまいました。残念。ちょっとした中吟程度のお値打ち価格のお酒ですから、購入する価値は充分にあると思います。