呑んでみました

ここのお蔵の酒は色々と紹介したいグレードがあるのですが、前記の通り地元じゃ手に入れにくいのが残念。この『知事賞受賞 純米大吟醸』は、なんと言っても価格設定が安く、立派な化粧箱にも入っていて贈答用にも良い感じですね。もちろん自分が呑むにしても、秋田ならではの酒造好適米「吟の精」を使った純大吟ってだけでもソソられるってものです。そして感想ですが、純米規格にしては色付いておらず、無色透明に近い輝きが印象的。精米歩合50%なので、もっと濃い見た目を想像していましたが、これが「大粒で吟醸造りに向く」とされる「吟の精」の特徴なのかもしれません。グラスに鼻を寄せるとなんとも上品な上立香を楽しめるますが、実際に呑んでみると立香よりも含み香に優れ、酸の少ない酒質と合わせ全体的にフローラルな印象が楽しめます。これは使用されている「秋田流花酵母」に由来するのかもしれないけれど、普段呑んでいる山田錦吟醸と比べると、透明感が高く感じますね。とがった部分がまるで見当たら無いのだけど、咽越しにはしっかりとした旨味が残る。その旨味が甘味と同一線のタイプでは無く、一言で表現すれば「繊細」が、この酒に最もふさわしい表現でしょうね。どちらかと言うと山形系よりは新潟酒が好みの人がハマるんじゃ無いでしょうか。『知事賞受賞酒』だけに酒単品で呑まれる事が多いかもしれませんが、鍋を突つきながらでも良さそうですね。居酒屋さんで淡麗酒が合う料理を出しているけど、雑誌の影響で新潟酒が敬遠されてしまう(愚かしい現象ですが)場合には、このお酒があると良いかもしれません。