呑んでみました

社員杜氏に変わってからの『黒龍』は、毎年比較的味が安定している蔵と言えますが、それでも「当たり」はあります。僕の趣味から言うと去年発売された黒龍では『八十八号』が一番良い気がします。去年の春に試した時には、他の出品酒に比べると香りは決して華やかとは言えませんが、他の『黒龍』に比べてクセが無く、実にスルスルと喉の奥に消えて行く美酒でありました。また、自宅の冷蔵庫でひと夏越えた状態でも、35%精米のアル添大吟醸ですから酒自体に色は付いていません。でも春の時点に比べて若干の熟成香は感じます。ただ古酒が苦手な方でも充分楽しめるレベルではありますが、やっぱ買った直後に呑んでおけば良かったかもしれませんね。秋に呑む『八十八号』ならば、酒屋さんでも手に入れやすい『大吟醸 龍』でも、正直大差無い気がします。もっとも定価自体に余り差がないので、どちらも旨くて当たり前って言えば当たり前なんですが。