呑んでみました

今回はリーデルで呑んでみました。グラスに注いだ時に沸き立つ華やかな香りはフレッシュな果実を思わせ、磯自慢らしさを主張しています。グラスを回してみると若干のトロミはありますが、酒質自体に透明感があり、柔らかな口当たりを予想させてくれます。ただ、実際には口当たりに渋味を感じますね。確かに旨味はあるのですが、全体に主張が無く渋味が突出して感じてしまいます。『磯自慢』は全体にクリアな酒だけに余計に目立つのかもしれませんが、この渋味は冷えている状態から常温に戻しても変わる事がありませんでした。もう少し旨味に厚みがあれば気にならないのでしょうが、この上品さも『エメラルドボトル』の良さであり、なかなか難しいですね。最近『磯自慢』は味が変わったと耳にしますが、僕も14BY辺りからは味の乗りがイマイチと感じる事が有ります。もちろん1年程熟成した酒であれば、らしい旨味と透明感のバランスが楽しめますが、保存状態によっては著しく香りのバランスが崩れてしまうようです。僕も他グレードで香りが劣化した物を経験しましたが、あれはかなり辛い。この熟成と香りの関係は現在もデータが集められている最中だそうですね。また15BYのお酒でも限定品の『愛山』などは非常にバランスの良い美酒に仕上がっていますので、銘酒『磯自慢』であっても成長する伸びしろが残されている事も、静岡酒のスゴい部分だと言えるのかもしれません。